
ブランド
葉山の工房から、木と人の時間をつなぐ
工房 杢
- 1992年
- 木工
- 牛嶋保夫

歴史
木との出会いから始まった、ものづくり
木工製作を始めたのは、1991年のことです。
それまでは高校の国語教員をしていました。
教員を辞めることを決めた頃、公園の桜の大木の下で過ごした時間がありました。
その木のそばにいると、不思議と心が安らぐ。
言葉では説明できない、木との相性のようなものを感じたことが、木工を始めるきっかけの一つになりました。
30歳の頃に旅したアフリカで、タンザニアからザンビアへ向かう列車の窓から見たバオバブの木も、今なお心に残っています。
どの木も同じではない。
その姿の違いに気づいたとき、人も木も、一つひとつ違っていていいのだと思いました。
自宅裏山で木工を始め、翌1992年に「工房 杢」と名付けました。
1994年には葉山へ工房を移し、本格的に創作注文家具の製作を開始。
テーブルや座卓、キャビネット、器など、暮らしの中で使われるものを手仕事でつくってきました。
その後、百貨店や画廊での個展、ドイツやアメリカの国際見本市への出展、海外への作品納品など、活動の場も少しずつ広がりました。
2020年には株式会社 工房 杢を設立。
形は変わっても、木と向き合い、木の力を暮らしへつなぐという思いは変わりません。

特徴
木が本来持っている力を、暮らしの中へ
木は、生き物です。
同じ種類であっても、育った場所や環境によって木目も色も、節の表情も違います。
一本一本が、それまで生きてきた時間を刻みながら、それぞれの姿をしています。
だからこそ、木を均一な材料として扱うのではなく、その木が持っている力や姿を見極め、できるだけ自然なかたちで生かしたいと考えています。
工房 杢では、欅、楢、栗、桜、杉、檜など、昔から日本の暮らしの中で使われてきた国産無垢材を基本としています。
手仕事に徹し、木の表情を確かめながら一つひとつ形をつくります。
塗装には漆や天然のオイルを用い、素材の持ち味を損なわない仕上げを大切にしています。
代表的な技法の一つが「一木」です。
いくつもの部材を組み合わせるのではなく、一本の木から削り出して形をつくることで、その木が持つ存在感をそのまま作品に生かします。
長い年月を生きてきた木だからこそ持つ、力強さや温かさ。
それらを暮らしの中で感じてもらえるものをつくりたいと思っています。
木を仕事にする以上、樹を使うだけではなく、樹を植え、育てていくことも大切です。
木と人がともに生きていく、その先まで考えながら、ものづくりを続けています。

お客様へ
木との出会いを、次の時間へ
木を眺めていると、その木が過ごしてきた長い時間を想像することがあります。
雨や風にさらされながら、何十年、何百年と生きてきた木。
その一部をいただき、暮らしの道具として新しい時間へつないでいくことは、木を扱う仕事の大きな喜びです。
木には、一つとして同じものがありません。
木目も色も、節も形も、それぞれ違います。
時には、その違いが個性となり、使う人だけの愛着へと変わっていきます。
今回お届けする作品も、長い時間を生きてきた木と、人の手仕事から生まれたものです。
ぜひ手に取り、木目や色、触れたときの感触まで味わってみてください。
葉山の工房で生まれた一つの作品が、皆さまの暮らしの中で長く使われ、次の時間へ受け継がれていくことを願っています。
世界に二つとない、木との出会いをお楽しみいただければ幸いです。
受賞歴
2015年「森の名手・名人」選定 (牛嶋保夫 / 創作注文家具製作)
2015年 ウッドデザイン賞2015 受賞 (秋田杉焼黒一木囲炉裏テーブル、秋田杉焼黒一木テーブル、秋田杉焼黒四角皿)

